しおりんのりんりん日和

100万回だって生きたい女の子の毎日…

なぜ日本人はこんなにも働くのか。〜平和と幸福の代償〜

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なぜヨーロッパは日本人より働かないのに経済が成り立つのか?

確かに、ヨーロッパには長期休み(バカンス)があり、労働時間も日本に比べてかなり短い。

しかし、経済は一応成り立っている。

どうして日本人はこんなに働かなくてはいけないのだろうか。

キーワードは「格差」と「治安・平和」にあるように思えてなりません。

 

 

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沢尻エリカの元夫?高城さんのお答えは、「日本人は和を重んじすぎるから」。

 

日本は生産性の向上より、日本式システムに刃向かう人を根絶することが目標ですので、経済は二の次=「経済は成り立たない それゆえ永遠に増税となるでしょう、消費税だけでなく。

 

この記事では、日本人がなぜ長時間働くのかということについて言及されていましたが、ヨーロッパはなぜ今の労働環境で経済が成り立つのかは書かれていませんでした。

ここが分からなければ、日本の労働環境はいつまでたっても改善されないと思います。

私たち日本人が和を重んじ、人の顔色を伺って、気を遣いがちな人種であることは今後も変えようがないのだから。

少なくとも数十年は。

 

では、なぜヨーロッパは短時間労働でも経済が成り立つのか。

私は、「格差」に尽きると思います。

 

私はヨーロッパに一年ほど住んでいたことがあるのだけれど、ヨーロッパには実に様々な人種がいて、それぞれが違和感なくうまくやっているように見えて、実は、それぞれの人種は生まれながらにして、ヨーロッパという場所で演じなくてはならない役割が決まっているように思えました。

 

例えば黒人。

私たち日本人にとって、白人による黒人差別はあまりピンとくるものではありませんし、それはもう大昔のことであるようなイメージがあるかもしれません。

しかし、厳然として黒人差別はあります。

 

差別と言えるのかは分からないけど、ヨーロッパの中程度のレベルのホテルに泊まると、ベッドメイキングや掃除をする人たちは、ほとんどが黒人でした。

そして、ホテルマンのポジションに、黒人はいませんでした。

 

例えばジプシー(これは差別用語ですが、現実にこう呼ばれ、さらに悪いことをしている人たちがヨーロッパにはいるのです、)

ヨーロッパの有名な観光地近くには、子供を連れた、いかにも貧しそうな女性たちが集まっています。

近づけば全員で群がってきて、身につけているものは全て盗られます。

 

駅にはホームレスがたくさんいて、寒い中でも子供を連れて物乞いをしています。

 

もちろん日本にも格差はあり、ホームレスもいれば、生活保護を受けている人もいる。

日雇い労働者もいれば、簡易宿泊所を家にしている人もいるだろう。

 

しかし、我々、普通(この表現が正しいかはわかりませんが、仮に普通と言ってしまいます。)の生活をしている人間からすれば、それは少し遠い世界のお話のように思えるし、あそこの地区はね… みたいに、住み分けもある程度できているように感じます。

 

しかし、ヨーロッパには、至る所に、そういった「普通の」生活ができない人たちがいるのです。

私はヨーロッパ人ではないので彼らの感覚はわかりませんが、彼らが存在することは、当たり前のような、そんな空気が漂っているように感じました。

 

ヨーロッパ人が短時間労働、長期休みという恩恵に預かれるのは、彼らのような弱い立場の人間が非常に多いからなのではないでしょうか?

また、10代から、学校に行きながら働くというような制度がある国もあります。

彼らは勉強という名目で働いているため、賃金はきっととても安いのでしょう。

 

さらに、ヨーロッパには日本人の労働者もたくさんいます。

アジアでは発展している国の人間かもしれませんが、ヨーロッパに行けば、私たち日本人だってアジア人であり、有色人種であり、差別の対象とするヨーロッパ人も存在するような人種なのです。

日本人がヨーロッパで仕事をするとどうなるか。

 

現地人よりも長時間労働させられることが多いです。

それは、押し付けられていることもあれば、日本人が雑なヨーロッパ人の仕事を見かねて手を出し始めたり、ヨーロッパにおいては必要のない仕事を自分から作り出してしまうからでもあるのです。

そしてヨーロッパ人(欧米人)は、日本人が勤勉であることをよく知っています。

彼らは自分たちが定時で帰るために、残った仕事を日本人に任せる事すらあります。

 

ヨーロッパは労働時間が短くて…?

日本人は和を重視するから…?

 

労働環境のいい場所にいるのに、

周りに気を使うべき日本人はいないのに、

ここはヨーロッパなのに、

やっぱり私たちは日本と変わらず身を粉にして働いているじゃない。

 

こういう私たちや、低賃金で雇われているヨーロッパにおける弱者といった、「こんな労働環境はおかしい!」と声を上げない人間もヨーロッパにはたくさんいるのです。

これによって、「普通」層の人たちの生活は支えられているのではないでしょうか?

 

こう考えてしまうと、私たちが長時間労働は嫌だ!と言えているのは、もしかしたら幸せな事なのかもしれないとも思えてきませんか?

 

日本は、世界でもトップクラスの安全で平和な国です(表面上は。)

 

これは、格差がかなり少ないことも関係しているでしょう。

 

国民の大部分が長時間働き、ある程度の収入を確保する。

長時間労働は嫌だ、安月給は嫌だといっても、そこまで困るわけではないから、みんなでいやいや乗り切る。

そうやって、苦労をみんなで分け合うことで、私たちは平和とささやかな幸福を当たり前のように享受できているのかもしれない。

 

ただし、昨今のブラック企業問題に関してはまた別の問題。

平和と幸福の代償というには大きすぎるほどの負担を強いられている人もたくさんいますよね。

これはやはり無視できる問題ではなく、うまく世の中の流れが変わっていけばいいと思います。

 

かつて、経済の発展のために無視されていた公害が、現在ではほぼなくなったように、

利益のために弱い労働者をこき使うことが悪だと、みんなが常識として認識できる世の中は、そう遠くはないと思います。